なぜ積読してしまうのか
わたしたちは「積読環境」に生きている
現代日本の出版環境は、どん底にあると言われている。雑誌の売り上げは低迷し、その雑誌に依存している流通も衰退している。雑誌の売り上げの低下は、書籍の販売拠点である書店の危機とイコールだ。
しかし、こうした不況のなかでも出版点数は増加し続けている。1965年の年間出版点数は15000点であったが、今はその5倍に増えている。出版業界は不況であるにもかかわらず、構造的な理由から、新刊を次から次へと出すことを余儀なくされているのだ。
加えて、今はあらゆるメディアから情報が流れ込んでくる。テレビ、ラジオ、雑誌、ローカルメディア、ミニコミ誌……。さまざまな情報メディアの登場と発達は、情報の構造を変化させ、それに伴い仕事の形も変化してきた。
現代人は、これまでの歴史で最大の情報量を生み出し、それにさらされて生きている。そして、あらゆる情報が見られることなく「積まれている」という状況が発生している。このような情報の氾濫と蓄積が起きている状況を、本書では「情報の濁流」と呼ぶ。わたしたちが生きる世界は、すでに「積読環境」なのである。




















