フィードバック経営の全体像
「壊れたエアコン」にならないために
組織の風通しが悪いと感じたら、多くのリーダーはコミュニケーションの活性化に取り組むだろう。会議のやり方の見直し、1on1の導入、チャットツールの入れ替えなどを行い、情報のやりとりは増えた。しかし、なぜか組織の動きは変わらない――そんな経験はないだろうか。
その背景には「フィードバック」の欠如が潜んでいる。「情報のやりとり」であるコミュニケーションに対し、フィードバックとは「その情報をもとに、行動や判断を修正する」ことを指す。エアコンで例えると、センサーが室温を測って画面に数字を出すのがコミュニケーション。その数字をもとに冷房の出力を調整するのが、フィードバックである。「感知して、調整する」のサイクルによって、室温は快適に保たれるのだ。
顧客が何に困っているのか。社員がどこで疲弊しているのか。現場にどんなアイデアが眠っているのか。どこで不正の芽が育ちつつあるのか。こうした声を拾い上げ、その声を経営判断に活かして進め方を調整する。この繰り返しが止まると、組織は“壊れたエアコン”になってしまう。
「感知→調整→再感知」の循環を、組織のあらゆる場面に根づかせる。それが、フィードバック経営である。
「高め合う組織」と「沈黙の組織」

組織のフィードバックには、2つの道筋がある。ひとつは現場と経営の間を行き来する「タテの循環」だ。経営陣が打ち出した戦略を現場が実行し、顧客の反応や市場の変化に触れる。その声が経営に届いて修正され、修正された方針を現場でまた試してみる。そんな、縦方向に流れる声である。




















