ゴールドプランなら4,000冊以上が全文読み放題! 7日無料体験はこちらから
人生の大問題と正しく向き合うための認知心理学の表紙

人生の大問題と正しく向き合うための認知心理学


本書の要点

  • 人間にはさまざまなバイアスがあり、これは合理的な選択を妨げるものとして悪者にされがちだ。しかし、バイアスがあるからこそ、人間は世界とより良く関わることができ、人間ならではの推論や学習ができるという側面もある。

  • バイアスがないAIは、直観に基づく仮説を立てることができないため、新しい知識を創造することができない。

  • 常に変化し、独自性を持った意思決定ができるようになるのは、真剣で考え抜いた訓練を積み重ねた人間だけだ。

1 / 2

そもそも私たちは「客観的」に世界を見ることができるのか

自分の見ている世界と隣の人が見ている世界は違う

Brillianata/gettyimages

「認知心理学」は、膨大な情報の中で人が何に注目し、どのように処理・理解し、知識を創り、意思決定をしているのかを問う学問だ。

私たちは何となく、「自分が見ている世界」と「隣の人が見ている世界」は同じだと思っているが、そうとは言いきれない。

数年前にSNSを中心に、1枚のドレスが写っている1枚の写真が流行った。それはある人には青と黒のボーダーのドレスに見えるのに、ある人には白と金のボーダーのドレスに見える。青と黒のボーダーに見える人が多いようだが、著者はそれを聞いてもなお白と金のドレスにしか見えない。

なぜこのような個人差があるのかは、実は明らかになっていない。おそらくは認知心理学の範囲である「知覚認知」の問題であるのだろう。

私たちがものを見る際には「かげ」の情報を無意識に使いながら、色を判断している。たとえば同じ黄色でも、光に当たった状態で見るのと、かげに置かれた状態で見るのとでは、見える色は異なる。網膜に実際に映っている色は違うのに、「かげ」の有無をふまえて無意識に「黄色だ」などと色を判断しているのだ。

「かげ」の情報を使っている自覚は見る人にはないため、先ほどのドレスは人によって違う色に見えるのではないかと考えられる。この仮説が今のところ有力ではあるが、まだ決定的とまではいえないようだ。

「見る」という認知過程ひとつとっても、万人に共通するものではない。ときには人によって見え方に違いがあるということだ。

人は「論理的思考」が苦手である

人間は「論理的な思考」が苦手だ。心理学の授業でほぼ必ず紹介されるある有名な実験は、それをよく表している。

イギリスのロンドン大学(当時)の心理学者ペーター・カスカート・ウェイソンが発表した、通称「ウェイソン課題」は、4枚のカードに関する問題を出した。

片面にアルファベットが書かれ、その裏側には数字が書いてあるカードがあり、「片面が母音ならその裏側は偶数でなければならない」という規則があるとする。この規則が守られているかを確かめるために、「E」「K」「4」「7」の4枚のカードのうち、どれを裏返す必要があるだろうか。

もっと見る
この続きを見るには...
残り3453/4382文字

4,000冊以上の要約が楽しめる

要約公開日 2025.08.06
Copyright © 2026 Flier Inc. All rights reserved.

一緒に読まれている要約

才能のトリセツ
才能のトリセツ
佐野貴
もっと学びたい!と大人になって思ったら
もっと学びたい!と大人になって思ったら
伊藤賀一
ちょっと死について考えてみたら怖くなかった
ちょっと死について考えてみたら怖くなかった
村田ますみ
自分の言葉で書く
自分の言葉で書く
さわらぎ寛子
超新版ティッピング・ポイント
超新版ティッピング・ポイント
土方奈美(訳)マルコム・グラッドウェル
自分に嫌われない生き方
自分に嫌われない生き方
谷口たかひさ
となりの陰謀論
となりの陰謀論
烏谷昌幸
時間・自己・幻想
時間・自己・幻想
月谷真紀(訳)大野和基(インタビュー・編)マルクス・ガブリエル

同じカテゴリーの要約

それ、いつまで持ってるの?
それ、いつまで持ってるの?
筆子
ラーメン一杯いくらが正解なのか
ラーメン一杯いくらが正解なのか
井手隊長
無料
投資の解像度を上げる 超インフレ時代のお金の教科書
投資の解像度を上げる 超インフレ時代のお金の教科書
頼藤太希
ガウディの伝言
ガウディの伝言
外尾悦郎
「話が面白い人」は何をどう読んでいるのか
「話が面白い人」は何をどう読んでいるのか
三宅香帆
【新NISA完全攻略】月5万円から始める「リアルすぎる」1億円の作り方
【新NISA完全攻略】月5万円から始める「リアルすぎる」1億円の作り方
山口貴大(ライオン兄さん)
生成AI最速仕事術
生成AI最速仕事術
たてばやし淳
Z家族
Z家族
博報堂生活総合研究所
なぜ働いていると本が読めなくなるのか
なぜ働いていると本が読めなくなるのか
三宅香帆
生成AIで世界はこう変わる
生成AIで世界はこう変わる
今井翔太