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本書の要点

  • アマゾンは、大きな可能性を秘めているアイデアでも最初は小さく賭ける。そして、その成功を確認すると、さらに大きく賭ける。

  • 「弾み車」は、一度動き始めて勢いがつくと、軽く押すだけで動き続ける。自社の「弾み車」を理解することで、やるべきことにリソースを集中でき、事業は勢いよく成長していく。

  • アマゾンでは迅速な決定が行われる一方で、「スピードを上げるために減速する」という考え方もある。決定のために準備することで、かえって時間を節約できるということだ。

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なぜベゾス・レターなのか

レターから見えてきた成長サイクル

fizkes/gettyimages

リスクに関する行動には、2種類しかない。リスクをとるかとらないかだ。

リスクと成長は切っても切れない関係にある。事業にリスクが伴うのは当然のことだが、考えなしにリスクをとるわけにはいかない。ベゾスのとるリスクには意図があるし、彼はリスクを「悪」とは捉えていないようだ。

ベゾスは、安定したウォール・ストリートの仕事を辞め、両親から30万ドルを借りてオンライン書店を始めた。当時オンライン事業は「博打(ばくち)」でしかなかった。それでもベゾスはリスクをとり、かき集めた資金と親からの借金で会社を始めた。そしてその結果、アマゾンを世界中で知られている会社に育て上げた。ベゾスはリスクの達人なのだ。

ベゾスはどうやって「博打」を1兆ドル規模の会社に成長させたのか。著者は、その秘密を読み解くため、ベゾスが1997年から現在まで株主向けに発表してきた年次レターを分析した。すると、実験、構築、加速、規模の拡大の4つで構成される「成長サイクル」が浮かび上がってきたのだという。

本書は、レターの引用とこの「成長サイクル」、そしてそれぞれのサイクルに当てはまる「成長への14カ条」によって構成されている。

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成長サイクル:実験

第1条「いい失敗」を促す

<i>アマゾン・ドット・コムは何度も失敗を経験していますし、損失も数十億ドル出しています。誇張ではありません。ペッツ・ドット・コムやコズモ・ドット・コムを思い出す方もいるかもしれませんね。こういう失敗をしでかしたときは、麻酔なしで根元から歯神経を抜かれたような気分です。楽しいはずもありません。ですが、結局はたいしたことではないのです。――2014年『ビジネスインサイダー』カンファレンス「IGNITION」</i>

アマゾンでは、「失敗」が予算に組み込まれている。失敗から学ぶことで、新たなものを構築できるとわかっているからだ。

成功のもとになった「失敗」として、「アマゾンオークション」が挙げられる。アマゾンオークションは、1999年、イーベイに対抗すべく始められたサービスだ。しかし、最終的に失敗に終わった。

失敗の主な要因は、消費者がアマゾンで商品を競り合うことに拒否反応を示したことだ。消費者がアマゾンに対して求めていたのは、安定した価格で商品を購入できることであった。そのため、アマゾンをこれまでと異なる方法で利用することができなかったのだ。

その後、アマゾンはzShopsというサービスを始めた。アマゾン以外の売り手が、アマゾンのサイト内に自分の商品を表示する特設ページを作れるというサービスだ。しかしこれも失敗に終わった。顧客が余分な手順が増えるのを嫌がったからだ。

アマゾンは2つの失敗をしたが、アマゾン以外の売り手がアマゾンで販売するというアイデアは、アマゾンマーケットプレイスに引き継がれることとなる。

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要約公開日 2020.02.10
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