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最高の自分を引き出す法の表紙

最高の自分を引き出す法

スタンフォードの奇跡の教室 in JAPAN


本書の要点

  • 人間には、「闘争・逃走反応」「休止・計画反応」という2つの状態があり、前者の状態では脳の前頭前皮質は機能しておらず、理性的な判断が困難である。人間には、意図的に休止・計画反応を起こすことも可能である。

  • ①睡眠を十分にとる、②血糖値をコントロールする、③小さなステップで脳を鍛える、④将来を見ることによって、意志力を後天的に鍛えられる。

  • 人間の脳にはミラーニューロンという細胞が多数存在し、無意識のうちに他人の影響を受けているのと同時に、自分自身も他人に影響を与えているため、意志力は伝染する。

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「難しいこと」を実行する力をつける

本書の位置付け

本書は2013年2月1日に東京・新宿で行われた特別講義の模様をDVDブック化したものである。本書には特別講義のDVDが付いており、その英文全文を書き起こしたものが末尾に、加筆・修正された日本語が前半部に記されている。ケリー・マクゴニカル氏の講義は非常に口調もやわらかで、しかも説得力がある。前著「スタンフォードの自分を変える教室」と内容は似ているが、分量も手ごろで簡単に読めるのが本書の優れているところだ。それではハイライトに入ろう。

「あなたの問題」から考えはじめよう

iStock/Thinkstock

まず第1章では『「難しいこと」を実行する力をつける』という章題について語られている。まずケリー氏は講義参加者に次のような質問を問いかけている。

「意志力の問題であなたが手を焼いているのはどんなことですか?」

世界中どこへ行っても、まずこの質問を受講者に投げかけているそうだ。そして世界中のどこの国に行っても、多くの人が同じような問題を抱えているという。

食べ物をはじめとする好物に感じる誘惑や、時間の使い方が下手であることへの悩みが、その代表的なものであるという。まずは自分がどのような問題を抱えているか考えることから始めるのだ。

脳が「快楽」に負けるとき

では、なぜ我々は相反するふたつの自己のせめぎあい(欲求に対する葛藤)の問題に直面するのだろうか。これに関して、この10年間で神経科学の分野から出てきた最も説得力のある考え方は、「脳にはふたつのモードが存在し、それらが切り替わることによって、まったく異なる自分になってしまう」というものだとケリー氏は語る。脳のモードが切り替わると、目標もがらりと変わり、正反対の意思決定をも行ってしまうのだという。

脳のふたつのモードのうち、ひとつはとても衝動的なものである。こちらのモードになっていると、我々は目先の利益しか考えられなくなり、ただひたすらに快楽の方面に向かってしまうのだ。

我々が大きな視野で物事を見て、目標を見失わずにいるためには、意志力(「やる力」「やらない力」「望む力」の3つ)が必要である。

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「めげない人」の体で起きていること

脳の活動を止めてしまうホルモン

Fuse/Thinkstock

どうしたら誘惑に対して「ノー」と言える賢さと勇気を持った自分になれるのか。どうしたら、やるべきだけれど困難なことに対して「イエス」と言い、実際にそれを行うことができるのか。その答えは科学的に証明されている。本章は、それができる人の体では、いったい何が起きているのか解説されている。

突然、部屋のドアからトラが飛び込んできた状況を想像してもらいたい。心臓の鼓動が激しくなり、呼吸も荒くなるだろう。この闘争・逃走反応状態では、ストレスホルモンが放出され、「やる力」「やらない力」「望む力」をつかさどる前頭前皮質の活動を停止させてしまう。生きるか死ぬかの瀬戸際であることを考えれば合点がいくことだ。これと同様に我々は脅威や不安などの心理的なストレスを感じると、最高の自分になろうとする力は妨げられてしまう。

我々を脅かすのは何もトラだけではない。甘いお菓子を見たとたんに闘争・逃走反応が起きると、自制心などすっ飛んでしまい、前頭前皮質は活動を停止してしまうのだ。

この反応を起こせば「理性的」になれる

ありがたいことに、我々には闘争・逃走反応とは全く逆の「休止・計画反応」を持っている。この反応が起きると、心拍数は下がり、呼吸は遅くなり、脳はまともな判断ができる状態となる。

ケリー氏にとって特に印象深い実験として以下のようなものがあったという。

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要約公開日 2013.12.25
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