flier_logo
ゴールドプランなら4,000冊以上が全文読み放題! 7日無料体験はこちらから
悪いことはなぜ楽しいのかの表紙

悪いことはなぜ楽しいのか


本書の要点

  • 自己中心的な人が楽しそうなのは、それが人間の本能に基づく行動だからだ。

  • ホッブズによると、絶対的な強者がいない世界では、生き残りをかけた殺し合いが起こる。そのような争いを防ぐために、私たちは権力に服従し、ルールを守って生活する。

  • 私たちは、ゲームで強敵を倒すとき、そのキャラクターが悶絶しながら死ぬことを望む。自分の利益にならないのに他者を苦しめたいと思うのは、悪意の衝動に駆られているからだ。

  • ルールを変えるため、時に「反逆」が起こるが、そこには予測不可能性がつきまとう。これを制御するのが仲間との「約束」だ。

1 / 3

【必読ポイント!】 自己チューなのはなぜ楽しいのか

自己中は生物の本能

自己中心的な人(以下、自己中)はいつも楽しそうだ。それはなぜだろうか。

大なり小なり、人は誰しも自己中だ。人生の主人公は自分であり、自分が楽しいと思うこと、自分にとって価値があることを追い求める。

そしてどんな生物も、自分の生存を何より優先する。生き残るために食べ、縄張りを作り、外敵と戦う。

これらの行動はすべて自分中心、自己中である。つまり自己中な振る舞いは生物の本能のようなものなのだ。

そう考えれば、自己中が楽しい理由は「それが生物の本能だから」という単純明快な答えとなる。

「平等」の本当の意味

Xavier Lorenzo/gettyimages

倫理学の世界では、自己中をエゴイズムという概念で説明する。エゴイズムの基本的な考え方は「常に自分を中心に考え、他者よりも自分を優先させること」だ。

近世イギリスの哲学者、トマス・ホッブズは人間の本質をエゴイズムのうちに見いだした。ホッブズは人間を「生まれながらに平等な存在である」とする。ここでいう平等とは、「平等な権利を持っている」ということではない。「同じくらいの力を持っている」、つまり「我々の体力や知性には個体差があるが、大した違いではない」という意味だ。

すべての人間が平等な世界では、絶対的な強者や弱者はいない。つまり、争いが起こったとしても、その戦いは拮抗する。どれだけ体力や知性に優れた人でも勝ち続けることはできず、誰かに殺されてしまう可能性もある。

平等な私たちが殺し合わずに済む方法

絶対的な強者のいない戦いは、明確な勝ち負けがつかず、終わりのないものとなる。こうした状態をホッブズは「万人の万人に対する闘争」と呼んだ。万人の万人に対する闘争は、猜疑心により、自分が殺されないために先手を打って他の人を殺すことになる。

すべての人が自己中だと、人々は争い合い、殺し合うことになってしまう。この問題はどのように解決されるべきか。

もっと見る
この続きを見るには...
残り2677/3476文字

4,000冊以上の要約が楽しめる

要約公開日 2024.09.08
Copyright © 2026 Flier Inc. All rights reserved.

一緒に読まれている要約

働くということ
働くということ
勅使川原真衣
AIが答えを出せない 問いの設定力
AIが答えを出せない 問いの設定力
鳥潟幸志
組織不正はいつも正しい
組織不正はいつも正しい
中原翔
わたしが「わたし」を助けに行こう
わたしが「わたし」を助けに行こう
橋本翔太
凡人が天才に勝つ方法
凡人が天才に勝つ方法
つんく♂
精神科医Tomyのほどほど力
精神科医Tomyのほどほど力
精神科医Tomy
「おとなしい人」の完全成功マニュアル
「おとなしい人」の完全成功マニュアル
西剛志
努力革命
努力革命
伊藤羊一尾原和啓

同じカテゴリーの要約

「気が利く」とはどういうことか
「気が利く」とはどういうことか
唐沢かおり
無料
なぜ、これが名画なの?
なぜ、これが名画なの?
秋田麻早子
現代社会を生きるためのAI×哲学
現代社会を生きるためのAI×哲学
谷口忠大鈴木貴之丸山隆一
東大研究員がゼロから考えてみた「宇宙の常識」
東大研究員がゼロから考えてみた「宇宙の常識」
澤田涼
君たちはどう生きるか
君たちはどう生きるか
吉野源三郎
ゼロから学ぶ ビジネスと人権
ゼロから学ぶ ビジネスと人権
塚田智宏
言語化するための小説思考
言語化するための小説思考
小川哲
直感を裏切る数学
直感を裏切る数学
神永正博
新版 思考の整理学
新版 思考の整理学
外山滋比古
なぜ働いていると本が読めなくなるのか
なぜ働いていると本が読めなくなるのか
三宅香帆