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実務家ブランド論の表紙

実務家ブランド論


本書の要点

  • 「教科書ブランド論」で論じられているのは、ごく一部のスーパーブランドに関するものだ。ほとんどの平凡なブランドに当てはめようとしても、うまくいかないのは当然である。

  • 実務家の定義によるブランドとは「妄想」である。ロゴや商品、ブランド名に触れたときに、自然と頭の中に生じるイメージこそが、ブランドだ。

  • 「存在価値」「約束」「人格・個性」の三つをブランドの土台として定め、一貫した情報を地道に消費者に伝え続けることで、意図的にブランドをつくることができる。

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【必読ポイント!】 なぜ、ブランド論の教科書でブランドをつくれないのか

教科書ブランド論

ideeone/gettyimages

「ブランド」という言葉に関する情報は世の中にあふれている。しかし、「ブランドは差別化である」「ブランドは約束である」といった言説を無邪気に信じているだけでは、絶対にブランドはつくれない。

著者は、ダイキン工業で33年間、企業ブランドの構築に携わってきた。数多くのブランド論の本を読み、セミナーに参加してきたものの、なかなかうまくいかないと感じ続けてきた。世にあふれるブランド論を無邪気に信じていたのは、著者自身のことだという。ブランド論の教科書に書かれていることの本当の意味や、実務家としての方法論を理解できたのは、最近になってのことだった。

著者は、世にあふれるブランド論や、教科書的な考え方を「教科書ブランド論」と定義した。そして、自身が現場で悪戦苦闘しながら理解したブランド論を「実務家ブランド論」と名づけた。

ブランディング専門会社、インターブランドジャパンのブランド価値評価ランキングによると、ダイキン工業は競合となる日立製作所や三菱電機よりも、上位に評価されている。しかし、ダイキンは必ずしも、教科書ブランド論の方法論通りにブランド構築がなされているわけではない。ダイキンが高いブランド価値を持ち得たのは、経営者の力や、良い製品をつくり、営業、サービスに力を注ぐという、ブランド論ではあまり語られない要素によるところが大きいのだ。

一般的に、「ブランド」の語源は、自分の牛を他の牛と識別するために押した「焼き印(burn)」だとされている。そのため、ブランドとは「他者との差別化」をするためのものだ、とほとんどの教科書ブランド論の冒頭に書かれている。

しかし一説によると、そもそもこの語源は正確ではない。しかし、この語源が頭に刻み込まれると、大きな弊害を生み出すことになる。著者はこれを「牛の呪い」と名付けた。牛の呪いから解き放たれて初めて、ブランドをつくれるようになるだろう。

スーパーブランドを目指す間違い

たいていの会社で、思い描いたブランドをつくることができないのはなぜか。その最大の理由は、ブランドの定義がないということである。

多くの人は、ブランドとは「差別化である」「顧客との約束である」といった教科書ブランド論を、なんとなく理解したつもりになってしまっている。しかし、人によって定義が違っていたり、あいまいだったりするため、関係者の間で定義や理解が共有されないままになってしまう。

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要約公開日 2021.12.22
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