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世界一訪れたい日本のつくりかたの表紙

世界一訪れたい日本のつくりかた

新・観光立国論【実践編】


本書の要点

  • 世界全体で、観光業は今後も順調に伸びていくと予想される。

  • 訪日観光客は2016年に2400万人を超えた。しかしやり方次第では、2030年に6000万人へ到達するのも夢ではない。

  • 観光の基礎の4条件は、自然、気候、文化、食である。日本はこれらすべてに恵まれているうえ、多様性に富んでいるのも強みである。

  • 欧州へのPRを強化するべきだ。特に、観光好きといえるドイツ人を対象にした誘致策に力を入れるのが望ましい。

  • 日本はこれまで文化観光に力を入れてきたが、今後は自然観光にも力を入れていくべきである。

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観光業における日本の実力

観光産業は無視できない

世界旅行ツーリズム協会(WTTC)の試算によると、観光産業は全世界のGDPの10%を占めており、雇用全体の11分の1を生み出している。また、国連の世界観光機関(UNWTO)は観光輸出の総計を1.5兆ドルと発表している。これは世界総輸出の7%に当たる数字だ。

かつては、「観光に力を入れるのは途上国」というイメージがあったかもしれない。しかしいまの観光業は約170兆円規模という、先進各国にとっても無視できない巨大産業と化している。

観光産業の成長性

anyaberkut/iStock/Thinkstock

UNWTOによると、全世界の国際観光客数は1950年の2500万人から増加を続けており、2015年には11.9億人に達した。今後も順調に伸びる見込みで、2030年には延べ18億人になると予測される。2030年の世界総人口はおよそ85億人と予測されていることから、地球上の5人に1人に相当する国際観光客が海外旅行を楽しむ「大観光時代」に入る計算になる。

国際観光客の出身国を見てみると、海外に旅行する人(アウトバウンド)は欧州からが一番多く、5.9億人となっている。次がアジアの2.9億人であり、これにアメリカ大陸諸国が2.0億人と続いている。

このなかでも際立っているのがアジアの伸びだ。1980年から2015年までの世界全体の増加率が4.3倍だった一方で、アジアでの増加率は12.2倍であった。

日本のポテンシャルはすごい

2016年、日本を訪れた外国人観光客は2403万9053人であった。これは前年比と比べると21.8%の増加だ。しかし、日本の観光が持つ潜在能力から考えると、この実績でも十分とはいえない。

観光産業の基礎の4条件は、自然、気候、文化、食であり、日本はそのすべてを備えている。しかも、日本には「多様性」があふれている。観光資源が多様であればあるほど、観光客数は増えるものだ。

このまま観光資源を磨いて整備していけば、2030年に6000万人の訪日観光客を迎えることも夢ではないだろう。

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【必読ポイント!】 観光戦略の進捗と今後の誘致戦略

訪日客の約半分は中国人と韓国人

kitchakron/iStock/Thinkstock

いまのところ、訪日外国人観光客の85%がアジアからの観光客だ。なぜなら、これまでの誘致策は、近隣諸国を対象としたものが主だったからである。特に、中国人ツアー客や韓国からの観光客をターゲットとしたものが多く、中国が26・5%、韓国が21・2%と、2カ国で全体の47・7%を占めている。

このような、近隣諸国を対象とした誘致策自体は間違いではない。しかし、2030年に訪日外国人観光客を6000万人にするという目標を達成するためには、長期滞在して日本にたくさんのお金を落としてくれる「上客」を、より多く確保しなくてはならないのも事実だ。

幸運なことに、日本には地理的なアドバンテージがある。世界の観光客のおよそ半分は欧州に住む人々であり、彼らは観光にお金を使う傾向にある。しかも、遠い国に旅行した時のほうが、隣国へ旅行した時よりも、お金を落としてくれるのだ。

欧州からのインバウンドを狙え

2015年のデータを見ると、欧州からは142万人しか日本に訪れていない。これは訪日観光客全体のわずか5.9%だ。欧州の潜在市場は1億1880万人と見積もられていることからも、日本にはまだまだ大きな伸び代が残されているといえる。

とはいえ、欧州といってもさまざまな国があり、観光への嗜好も多種多様なため、計画性と戦略性に富んだPR戦略が必要である。

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要約公開日 2017.12.08
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