「最高のチーム」をつくるための10冊【2025年最新版】
チームビルディングのコツがわかる!

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矢羽野晶子
「最高のチーム」をつくるための10冊【2025年最新版】

メンバーそれぞれがスキルや能力を最大限に発揮し、チームとして高い成果を出すための取り組み「チームビルディング」。ビジネスがうまくいくか否かは、チームビルディングにかかっているといっても過言ではありません。

とはいえ、チームビルディングは意外と難しいもの。メンバーとの考えの違いや些細なミスコミュニケーションが、チーム全体のパフォーマンスに影響することもあります。

本記事では、チームビルディングのコツが学べる10冊をご紹介します。リーダーや部下を任される立場の方は、ぜひ参考にしてみてください。

メンバーに感謝することから始めよう

THE CULTURE CODE
THE CULTURE CODE
ダニエル・コイル,楠木 建(監訳),桜田 直美(訳)
かんき出版
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THE CULTURE CODE
THE CULTURE CODE
著者
ダニエル・コイル楠木 建(監訳)桜田 直美(訳)
出版社
かんき出版
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言わずと知れたチームビルディングの名著。膨大なインタビューと科学的エビデンスによって、「チームづくりのカギ」を解き明かした一冊です。

本書ではチーム力を鍛えるポイントとして「安全な環境」「弱さの開示」「共通の目標」の3つを挙げています。これらは一朝一夕にできるものではなく、「日常のさりげない行動」の積み重ねによってつくられるのだとか。

その具体的な行動のひとつが「感謝を伝える」。しかも過剰だと思うほど伝えることで、メンバーは「安全な環境」だと感じ、チームへの帰属意識を高められるそうです。

自分の小さな行動からチームを変えていきたいと思う方は、ぜひ読んでみてください。

「フラットなチーム」のつくり方

「僕たちのチーム」のつくりかた
「僕たちのチーム」のつくりかた
伊藤羊一
ディスカヴァー・トゥエンティワン
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「僕たちのチーム」のつくりかた
「僕たちのチーム」のつくりかた
著者
伊藤羊一
出版社
ディスカヴァー・トゥエンティワン
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「フラットなチーム」をつくりたいのに、つい部下に指示ばかりしてしまう、上意下達の文化が染みついている……というリーダーにおすすめの本。

「フラットなチーム」にするには、まずメンバーが意見を言いやすい仕組みをつくり、力を発揮しやすい環境を整える必要があります。本書では、そのためにリーダーは「指示をする人」ではなく、「ファシリテーター」になるべきだと提案します。

メンバー一人ひとりが輝き、成果を最大化するチームづくりのノウハウが詰まった一冊です。

今いるメンバーで結果を出す

世界最高のチーム
世界最高のチーム
ピョートル・フェリクス・グジバチ
朝日新聞出版
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世界最高のチーム
世界最高のチーム
著者
ピョートル・フェリクス・グジバチ
出版社
朝日新聞出版
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グーグルで人材開発に携わってきたピョートル・フェリクス・グジバチ氏が、「最小の人数で、最高の結果を出す」ためのノウハウを教えてくれる一冊です。

「今いるメンバーで結果を出す」にはどうしたらいいでしょうか。当然、チームには色々な人がいます。グチをこぼしてばかり、仕事の出来がイマイチ、メンバー同士が揉めている……など、不安要素は山ほどあるでしょう。

本書ではそんな起こりがちな事例を挙げながら、チームの力をプラスに転換する方法を伝授します。グーグルじゃなくてもできる、「グーグル流・最高のチームビルディング」を、本書でハックしませんか?

良いチームに必要な「5つの法則」

THE TEAM 5つの法則
THE TEAM 5つの法則
麻野耕司
幻冬舎
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THE TEAM 5つの法則
THE TEAM 5つの法則
著者
麻野耕司
出版社
幻冬舎
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本書によると、チームづくりの要は「法則」だといいます。良いチームをつくるには、次の5つの法則が必要です。

(1)Aim(目標設定)の法則

(2)Boarding(人員選定)の法則

(3)Communication(意思疎通)の法則

(4)Decision(意思決定)の法則

(5)Engagement(共感創造)の法則

たとえば(1)の目標設定の法則。「今月は売上○○○万達成!」と、数値ばかりを目指していませんか?もちろんそれは基本中の基本ですが、個々が積極的に達成したくなるような目標とは言えません。

本書で勧めるのは「何のためにそれを達成するのか」という「意義目標」の設定です。「○○の販売を通じて、幸せな食卓時間を届ける」などと理想の未来像を描くと、ポジティブな気持ちで仕事に向き合えるようになるでしょう。

本書では5つの法則を具体事例とともに解説。チームビルディングの教科書として活用してほしい一冊です。

「わかりあえない他者」と一緒に働くには

他者と働く
他者と働く
宇田川元一
NewsPicksパブリッシング
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他者と働く
他者と働く
著者
宇田川元一
出版社
NewsPicksパブリッシング
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同じチームや部署の人たちとは、密なコミュニケーションや相互の協力が求められます。ですが、性格も考え方も違うメンバーと、わかりあえなかったり、いがみあったりすることは少なくありません。

本書では、相手との「溝」を埋める方法として、相手ではなく自分の解釈を変える「ナラティブ(narative)」という手法を提案し、具体的なプロセスについて解説します。

自分から見える景色と、相手から見える景色は違うもの。「メンバーとあまりうまくいっていない」という人は、自身のナラティブを変えることで、何かしらの気づきがあるかもしれません。

リーダーシップの本質が書かれた名著

リーダーシップの旅
リーダーシップの旅
野田智義,金井壽宏
光文社
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リーダーシップの旅
リーダーシップの旅
著者
野田智義金井壽宏
出版社
光文社
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「リーダー」という言葉を聞いて、チームを堂々と率いる偉大な存在をイメージする人もいることでしょう。それゆえに、「自分はリーダーに向いていないのではないか?」と悩むマネジャーも少なくないはずです。

リーダーシップの本質を説く本書では、リーダーとは最初からリーダーであるのではなく、そのプロセス(=リーダーシップの旅)を経てリーダーになっていくのだと定義します。

最初から何でもできる完璧なリーダーなどいません。チームをつくっていく中で、少しずつリーダーになっていくのです。

本物のリーダーシップを知りたい方におすすめの一冊です。

マネジャー1年生の必読本

部下をもったらいちばん最初に読む本
部下をもったらいちばん最初に読む本
橋本拓也
アチーブメント出版
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部下をもったらいちばん最初に読む本
部下をもったらいちばん最初に読む本
著者
橋本拓也
出版社
アチーブメント出版
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チームと言えど、一人ひとりは個別の人間。それぞれが、それぞれの欲求を持って生きています。

本書ではまず、人は生まれながらに5つの基本欲求(生存、愛・所属、力、自由、楽しみ)を持ち、その欲求を満たす「上質世界(=願望)」を現実世界で手に入れようとして行動すると説明します。

その上で語られるのが、「リードマネジメント」です。「選択理論(選択理論心理学)」をベースにした手法で、メンバーの成長(個々人の目的・目標達成)を通して組織パフォーマンスを最大化することを目的とします。著者自身も、リードマネジメントに取り組んだことをきっかけに、マネジャーとして頭角を現していったといいます。

「ビジネス書グランプリ2025」のグランプリ受賞作品でもある本書。ぜひこの機会に読んでみてはいかがでしょうか。

「心理的安全性」ならこの本から

心理的安全性のつくりかた
心理的安全性のつくりかた
石井遼介
日本能率協会マネジメントセンター
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心理的安全性のつくりかた
心理的安全性のつくりかた
著者
石井遼介
出版社
日本能率協会マネジメントセンター
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チームビルディング界隈ではお馴染みの言葉である「心理的安全性」。本書における「チームの心理的安全性」とは、「メンバー同士が健全に意見を戦わせ、生産的でよい仕事をすることに力を注げるチーム・職場」を指します。

よく誤解されるのは、和気あいあいとしているだけの「ヌルい職場」。心理的安全性の高い職場では、目標達成するために互いが忌憚なく発言することから、時に衝突も起こります。ただ相手に迎合するだけのコミュニケーションは、心理的安全性が高いとは言えないのです。

本書では理論・体系に基づいた解説をしながら、日本の組織に適した心理的安全性の高いチームづくりを教えてくれます。本書を読んで、「心理的安全性」についてきちんとおさらいしませんか?

『完訳 7つの習慣』著者によるリーダー論

リーダーシップ・エッセンシャル
リーダーシップ・エッセンシャル
スティーブン・R・コヴィー,フランクリン・コヴィー・ジャパン編
キングベアー出版
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リーダーシップ・エッセンシャル
リーダーシップ・エッセンシャル
著者
スティーブン・R・コヴィーフランクリン・コヴィー・ジャパン編
出版社
キングベアー出版
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完訳 7つの習慣』のスティーブン・R・コヴィーによる、リーダーシップ論の名著。リーダーシップについては様々な論説がありますが、著者が重視するのは、「相手の気持ちや立場を考慮した態度」。組織やチームを長期的な成功に導くには、メンバーの能力や可能性を引き出すことが何よりも大切だと説きます。

そのためには、リーダーはメンバーをコントロールすることを手放し、自身の人格を磨くこと。著者は「自分自身が変わることでしか、周囲に変化を起こすことはできない」と断言します。非常に耳の痛い言葉ですが、納得感があるのではないでしょうか。

真のリーダーシップとは何か。『完訳 7つの習慣』と合わせて通読することもおすすめします。

組織運営には「幸せ」が必要だ

幸せなチームが結果を出す
幸せなチームが結果を出す
及川美紀,前野マドカ
日経BP
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幸せなチームが結果を出す
幸せなチームが結果を出す
著者
及川美紀前野マドカ
出版社
日経BP
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企業は利益追求を余儀なくされる一方、組織運営の観点からは、働く人の「幸せ」を追い求める必要もあります。

本書は「永続的幸福」を企業理念に掲げる株式会社ポーラの社長・及川美紀氏と「幸福学」を研究する前野マドカ氏の共著本。共に「ポーラ幸せ研究所」を立ち上げ、「幸せで成果の出るチーム運営」を実践しています。

人的資本経営の必要性が叫ばれるなか、人を大事にする組織運営について知りたい経営者、リーダー層におすすめの一冊です。


いかがだったでしょうか。チームビルディングは一日にしてならず。書かれていることを少しずつ取り入れながら、目指すチームの姿に近づいていきましょう!

公開日:2024/05/14