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幸せはたった「2時間」でつくられる

幸せはたった「2時間」でつくられる

「自分は何に満たされるか」がわかると人生が変わる

インタビュービジネス書グランプリ2025 ビジネス実務部門賞受賞

10回目を迎える「読者が選ぶビジネス書グランプリ」。2025年は『いつも幸せな人は、2時間の使い方の天才』(すばる舎、以下「本書」)がビジネス実務部門賞に選ばれました。 さまざまな時間術の本が出版される中、本書のテーマは「幸せ」を軸にしたタイムマネジメント。「幸せな1日」は、2時間もあれば十分実現するのだといいます。 昨今はあらゆるシーンで効率化が求められ、「タイパ疲れ」という言葉も登場しています。そんな中、高校生からシニアまで支持され、9万部を突破(本稿執筆時現在)した本書。幅広い世代を惹きつける理由はどこにあるのでしょうか? 著者の今井孝さんにお話をうかがいました。

ライター・矢羽野晶子

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読んだらすぐに幸せになれた!

── 「読者が選ぶビジネス書グランプリ2025」、ビジネス実務部門賞の受賞おめでとうございます!まずは感想をお聞かせください。

本当に感動というかびっくりというか。いつかは選ばれてみたいと思っていたので、とても嬉しかったです。

もちろん、本がたくさん売れるのも嬉しいですが、このような賞をいただけたことで、中身をしっかり評価してもらえたと感じられて、書いてよかったなと思います。

ビジネス書グランプリ2025授賞式の様子

── 出版後はどのような反響がありましたか?

結構たくさんの感想をいただいていて、下は高校生から上は84歳の方まで、本当に幅広い世代の方から寄せられています。

この本を書いてよかったなと思うのは、「読んで実践してみたらすぐに幸せになれた」という感想が多いことですね。即効性があるんだなと実感しています。

SNSでも「今まで読んだ時間術の本の中で一番よかった」と書いてくれる方がいたり、インフルエンサーの方が紹介すると何百万回も再生されたりして、すごくバズりやすいのも大きいですね。

たとえば、「去年、転職に失敗しました」という方からの感想があったんです。でも、それを単なる失敗や挫折ではなく、「ちょっと休憩していただけなんだ」と思えたそうで。「もう諦めかけていたけど、もう一度やってみようと思えました」と言ってくれました。そういう感想が特に多くて、気持ちが前向きになったとか、今の自分を受け入れられた、という声をいただくと、本当に書いてよかったなと思います。

いつも幸せな人は、2時間の使い方の天才
いつも幸せな人は、2時間の使い方の天才
今井孝
すばる舎
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いつも幸せな人は、2時間の使い方の天才
いつも幸せな人は、2時間の使い方の天才
著者
今井孝
出版社
すばる舎
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「いい1日」はたった「2時間」でつくられる

── 本書の「1日の中に『最高のひととき』が2時間くらいあれば、その日は『いい1日』だと感じられる」というメッセージがとても印象的でした。今井さんがこのことに気づいたきっかけは何でしょうか?

まず、24時間すべてを「いい時間」にしなきゃいけないと思うのは、完璧主義ですよ。つい1日全体をよくしようとしてしまうけど、実はたった2時間でも幸せになれるんです。完璧主義を手放して、少しでも「いい時間」を見つけることが大切だという考え方を取り入れたのが、多くの人に響いたのかなと思います。

この考えに至ったきっかけは、ある日ふと「この前、幸せだったな」「あの日はいい1日だったな」と思い返したことでした。「何が楽しかったんだろう?」と振り返ってみると、コンサートに行ったことが浮かんだんです。でも、よく考えたらコンサートはせいぜい2〜3時間。それ以外の時間はいつも通り仕事をしていて、特別なことは何もありませんでした。そこで気づいたんです。「あれ? いい1日って、たった2時間でも成立するんだ」と。

そして、幸せそうに成功している人をインタビューしていくと、まさに、どの人も2時間程度の最高のひとときをつくっていることがわかりました。

もともと私は「幸せとは何か」とか、そういう本質的なことを考えるのが好きなんです。その後、いろいろ調べてみたら、「自由な時間が1日2〜5時間あると人は幸せを感じやすい」という研究結果がたくさん出てきて。「ああ、自分の直感は正しかったんだ」と改めて実感しました。

── たしかにそうですね! 言われてみるとその通りなのですが、なぜ気づけないのでしょうか。

やっぱり、自分を振り返る機会ってなかなかないですよね。普段は無意識のうちに生きていて、「自分がどうなったら幸せか」なんて、あまり深く考えないことが多い。でも、いざ考えてみると、意外と答えは簡単に見つかるんです。ただ、考えていないだけなんですよね。

今の世の中、忙しく過ごしていたり、SNSやコンテンツなどいろんな誘惑に囲まれていると「自分の幸せとは何か」を考えなくても生きていけてしまう。でも、そんな環境の中でもその誘惑に流されずに「自分にとっての幸せ」を考えることは大事だと思います。

たとえば、「スマホをずっと見てたけど、この時間って一体何だったんだろう?」って思うこと、ありますよね。でも、「自分はどういう時間を過ごすと幸せなのか」を考えるのは、実はすごく簡単なことなんです。難しく考える必要はなくて、「桃が好き」とか、「海苔の佃煮を食べると幸せになる」とか、それくらいでいい。そんな時間を1日のうちに30分でも持てたら、それだけで十分幸せになれると思うんです。その積み重ねが、最終的に大きな幸せにつながっていくんじゃないかなと思います。

「好きな食べ物」から書き出していこう

── 自分にとっての「最高のひととき」を見つけるには、「自分の幸せ」を見つける必要があると書かれています。自分の幸せを見つけるために、まず何をすればいいでしょうか?

日々の中で「嬉しかったこと」や「楽しかったこと」を書き出していくことですね。

一番簡単なのは、食べ物から始めることです。好きな食べ物をリストアップしていく。これがシンプルで、誰でも取り組みやすいと思います。

食べ物って、他人の影響をあまり受けないんですよ。「カレーが好きって言わなきゃダメ」と言われることはないし、自分の本音が出やすい。でも、たとえば「このブランドが好き」「あのカフェに行ったほうがいい」みたいなことは、人の目を気にして選んでしまうこともあります。その点、食べ物は自分の好みがはっきりと表れるので、最初の一歩として書き出しやすいんです。

たとえば、チョコレートが好きだとしますよね。チョコの口どけや甘さを思い浮かべると、「美味しいな、また食べたいな」と感じる。これって完全に“自分軸”なんです。頭で考えて決めているわけじゃなく、内側から自然と湧き上がってくる感情ですよね。

こうして「自分の感情に気づく練習」をしていくと、だんだんと「本当に自分がやりたいこと」が見えてきます。チョコレートが好きなら、「じゃあ、どんな服が好き?」「どんな番組を観ている時が楽しい?」「どんな音楽を聴いていると心地いい?」と、どんどん広げていく。それに案外、自分の「好き」って決まっているものなんですよ。

そこからさらに、「仕事では何が好き?」というところにつながっていって、本当にやりたいことが見つかることもあると思います。だから、まずは食べ物から始めて、自分の気持ちを掘り下げていくのがおすすめです。

── 今井さんにとっての「最高のひととき」を教えてください。

最近で言えば、来週サウナに行こうと思ってます。映画を観てサウナに行こうかなと。こんな風に、週に1回くらい楽しみを先に入れておくんですよ。そうすると1週間がんばれる。僕はそんな風に生きてます(笑)。

最終目的は「幸せ」という感情

── タイパ(タイムパフォーマンス)という言葉が定着して、タイパを意識して生活する人も増えているように感じます。今井さんはこの傾向をどのように感じられますか?

タイパ自体はいいことだと思います。映画も2倍速で観ても面白いものは面白いですし、本もフライヤーの要約サービスを活用すれば、良書に出会いやすくなりますよね。

ただ、それだけを続けていると心が荒んでしまうというか、「何のためのタイパなのか?」がわからなくなってしまう。ただこなすだけでは、どんどんメンタルがすり減っていってしまいます。だから「本を何冊読むか」という数の目標だけではなく、「自分がどうしたら満たされるのか」を理解した上でタイパを活用し、自分を満たす時間をつくることが大切だと思います。

数字を達成するって、基本的に頭で考えてやることなんです。つまり左脳の働き。でも、幸せを感じるのは心や感情の部分、つまり右脳の領域。いくら左脳で数字や目標を達成しても、右脳で感じる「満たされた気持ち」がなければ、本当の意味で幸せにはなれません。

だからこそ、「最終的に大事なのは感情なんだ」ということを意識すること。自分がどんなときに満たされるのかを知っておくことが、何より大切だと思います。

── 多くのビジネスパーソンが、残業規制や人手不足の中で、仕事のパフォーマンスを上げなければならないプレッシャーを抱えています。そんな方々にアドバイスをいただけますでしょうか。

残業しないで決められた時間内で成果を出すのは、いい傾向だと思います。無理だと決めつけずにやってみれば、必ずできるはずです。

この本にも書いていることですが、「ゴールから始める」ことで、思ったより時間はかからなくなります。まず、最終的な成果物を明確にし、そこから逆算して最短ルートで進めていけば、案外スムーズに終わるものです。

僕自身、会社員時代は「残業しないと仕事が終わらない」と思い込んでいました。でも、思い切って夜に習い事を入れてみたら、「その時間までに終わらせなきゃ」と集中力が高まり、一気に片付けられるようになったんです。打ち合わせも「夜は無理です」と伝えて昼間に調整してもらったら、ちゃんと定時で帰れるようになりました。

「残業できない」という状況を、むしろチャンスと捉えてみるといいと思います。その時間を活用してビジネススクールに通うなど、新しい学びに投資するのもアリですよね。

「決められた時間で成果を出せ」と言われたら、最初は難しく感じるかもしれませんが、続けていけば自然とできるようになるものです。そういう環境のプレッシャーは、むしろ成長につながるはずですよ。

── 今後やっていきたいことがあれば教えてください。

僕は今51歳なんですけど、 50 代は「社長のカラオケ大会」というイベントを全国規模にしたいなと思っています。それが僕の次の10年のビジョンです。

もともとカラオケや歌が好きで、学生時代はカラオケボックスでアルバイトをしてたんですよ。今、周りに歌好きの社長さんがたくさんいるんですけど、そういう人たちがつながる場ができたら面白いな……と。そういうシンプルな動機から「大会とかにしたらすごく面白いな」と思うようになって、昨年、別法人をつくって始めたんです。

僕は新しいものを立ち上げることにワクワクするんですよ。10 年ごとに1 回ぐらい、何か新しいものを立ち上げると幸せを長く感じられる。こうして全て、自分の幸せから逆算してやることを決めているんです。

将来的には、日本の経営者全員が知っているようなイベントにしたいですね(笑)。

いつも幸せな人は、2時間の使い方の天才
いつも幸せな人は、2時間の使い方の天才
今井孝
すばる舎
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いつも幸せな人は、2時間の使い方の天才
いつも幸せな人は、2時間の使い方の天才
著者
今井孝
出版社
すばる舎
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今井孝(いまい たかし)

株式会社キャリッジウェイ・コンサルティング代表取締役。3万人以上の起業家にノウハウや考え方を伝え、最初の一歩を導く。マーケティングとマインドに関するさまざまな教材は累計3000本以上購入されている。誰にでもわかりやすく、行動しやすいノウハウと伝え方で、「今井さんの話を聞いたら安心する」「自分もできると思える」「勇気が湧いてくる」と、たくさんの起業家の支持を集めている。多くの起業家を成功に導いてきた経験から導き出した、幸せと成功の秘訣を日々発信している。著書にはシリーズ10万部を超えた『起業1年目の教科書』(かんき出版)や、ベストセラーになった『誰でもできるのに9割の人が気づいていない、お金の生み出し方』(幻冬舎)などがある。

文責:矢羽野晶子(2025/03/03)