
『ME TIME 自分を後回しにしない「私時間」のつくり方』著者インタビュー
現代人はとにかく時間がない。 テクノロジーの発展で便利になっているはずなのに、ずっと忙しい毎日が続く。なぜいつも時間に追われているのだろう――。そういう悩みを抱える方は多いと思います。
今回は、朝活の第一人者で新刊『ME TIME 自分を後回しにしない「私時間」のつくり方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)を上梓した株式会社朝6時代表の池田千恵さんに、自分のために時間を使うことができる「ME TIME」について伺いました。聞き手は、株式会社フライヤーの執行役員・井手琢人です。
ライター・井手琢人
池田さんといえば朝活の達人ですが、今回の本『ME TIME 自分を後回しにしない「私時間」のつくり方』(以下、『ME TIME』)は時間の使い方がテーマでしょうか?
池田千恵(以下、池田):はい、「ME TIME」は「私だけの時間」という意味です。「自分だけの時間を取り戻そう」というコンセプトで書きました。


「MY TIME」と「ME TIME」の違いは何でしょうか?
池田:ニュアンスの違いではあるのですが、「MY TIME」が単なる自分の持ち時間であるのに対して、「ME TIME」はひとりだけの時間をゆっくり過ごすとか豊かな時間を過ごすという意味で使われます。海外ではInstagramで「ME TIME」と調べると何千件も投稿が出てくるんですよ。
では、この本を書くことになったきっかけを教えてください。
池田:私は長年“朝活”についてお伝えしてきましたが、朝早く起きるだけでは人生は変わらないんですね。
朝だけで時間をつくろうとすると夜の時間がなくなってしまったり、睡眠時間を削って昼間眠くなって何もできなくなってしまったりと、問題点が多数出てきてしまいます。
その中で、朝だけではなく、昼や夜の使い方についても意識していくと劇的に変わっていくことがわかってきています。そうして実際に私が使って結果が出た方法やワークなどを凝縮してつくったのがこの本になります。
井手:今回『ME TIME』を拝読して、自分は「ME TIME」を全然つくれていないなと思ってしまいました。昔はもっと時間があったような気がするのですが……。
池田:やっぱり忙しいですからね。現在は情報量が多すぎるというのもあるのではないでしょうか。
常に情報のシャワーを浴びている状態で、気が休まる時間がなくなっているのだと思います。

ここ数年で時間の価値はますます上がっていると感じますか?
池田:そう感じます。「タイパ」という言葉も流行っていますよね。
大事な時間をつくるために、サクッとできるものは効率的に行わなければという気持ちが高まってきているんだと思います。
井手:意識的に「ME TIME」をつくろうとしなければ、時間はできないということなんでしょうか?
池田:そうだと思います。「時間があったらやろう」と思いがちですが、そんな時間は永遠に来ないんですよね。
そうではなくて、最初に意識的に自分の時間をつくってしまうことが大事です。
井手:池田さんはどの時間に「ME TIME」をつくっていますか?
池田:始業前の1時間に意識的につくるようにしています。私は9時頃から働き始めますが、その前の時間は自分への投資の時間としています。前著の『「朝1時間」ですべてが変わる モーニングルーティン』にも書きましたが、これを毎朝のルーティンとしています。
朝活には「Have to」と「Want」の二つがあって、Have to(タスク)だけではなくWant(自由な時間)をセットでつくることが必要ですね。


タスクとごちゃ混ぜにしてしまうと、タスクが優先されてしまうということですね。
本書に書かれている「SEEメソッド」について教えてください。
池田:「SEEメソッド」は私が提唱する時間の片づけ法です。
ステップ1は「Show:時間を『見える化』する」ことです。頭の中で考えるだけではなく、全て書き出すなどして時間の棚卸しをすることですね。
ステップ2は「Edit:時間を編集する」です。Have toとWantに仕分けて、サクッと終わらせるものとじっくり時間をかけるものを区別します。
そして最後のステップ3は「Enjoy:時間を楽しむ」です。Wantの時間を豊かに楽しんでください。

「SEEメソッド」を1日の仕事の予定に活用すると、どのようになりますか?
池田:例えば、始業前に「今日やらなければいけないこと」を「To doリスト」のように全部書き出します。仕事もプライベートの予定も全て書き出ししましょう。
その後、それを上から順番にやるのではなく、「どれを一番やらなければいけないのか」「明日に回していいものはあるか」などの観点で順位付けをしていきます。
そして、優先順位の高いものから取り組んでいき、最終的にできた時間をEnjoyするという流れですね。
井手:今までの時間術の本では、「SEEメソッド」のうち「Edit」ぐらいまでの話が多かったと思うのですが、「Enjoy」の項目が入っているのがすごく池田さんらしいと感じました。
やはり、「Enjoy」まで見ておかないと疲弊してしまうということなのでしょうか?
池田:そうですね。朝活を頑張る人って真面目で一生懸命で、いつも先回りでタスクを進めたり、〆切が不安だから前倒しで仕事をしたりする方がとても多いんです。
それ自体はいいのですが、そうしていると一生タスクは終わらないんですよね。
やりたいことは老後の夢、というのはあまりに悲しい気がします。
井手:どうしても「Show」「Edit」をしてから、他のタスクを入れてしまいがちですよね。なんでこんなに忙しいんだろう?と思うことが本当によくあります。
池田:私も子育てをしながら仕事をしていて、いつか時間ができるはずだと思って頑張ってきましたが、いつになっても時間はできないということに気づいたんです。
ならば、時間がない中でも何とか時間をこじ開けて「ME TIME」をつくらなければと思いました。
時間管理術といっても、「ME TIME」をつくるための時間管理だと思えば、気持ち向きも変わってきますよね
池田:『限りある時間の使い方』というベストセラー本があるのですが、私も感銘を受けました。私たちが持つ「限りある時間」を実際にどう使うべきかという実践編的な意味合いでも、『ME TIME』はお役に立てるのではないかと思います。
井手:何となくダラダラ時間を過ごしてしまうというのも、最近の傾向ではないかなと思います。
池田:「時間が溶けている」という表現を時々聞きますよね。
小さい氷がすぐ溶けてしまうように、時間も細切れだと溶けやすいんです。だから、「ME TIME」という大きい氷をつくることを意識すると良いですね。
井手:時間を有意義に使うという本当の意味を、改めて考えるきっかけになりました。忙しいのが好きな人はともかく、忙しいことが必ずしも有意義とは限らないですからね。
もう少し自分の時間が欲しいなと思っている方は、ぜひ手に取ってみてください。貴重なお話をありがとうございました!

インタビューの動画をYouTubeでご覧いただけます。




池田千恵(いけだ ちえ)
株式会社朝6時 代表取締役/早起きトレーナー/国家資格キャリアコンサルタント
外食ベンチャー、外資系戦略コンサルティング会社を経て、2009年に『「朝4時起き」で、すべてがうまく回りだす!』(マガジンハウス)を刊行。ベストセラーとなり、「朝活の第一人者」と呼ばれるようになる。夜型→朝型への実体験と、多くの人に早起き習慣化を指導した実績をもとに、2010年より朝専用手帳『朝活手帳』をプロデュース。13年連続で発売する人気手帳となる。「朝1時間」の業務改革による生産性向上の手法を企業に指導しているほか、個人に向けては、今のままの働き方で良いのか迷うキャリアの踊り場期に、朝時間でなりたい自分を言語化し、行動するコミュニティ「朝キャリ®」(https://ikedachie.com/course/salon)を主宰。2022年10月現在6歳の子どもを育てるワーキングマザー。
Twitter, Instagram @ikedachie